トラクターは、農業において欠かせない存在です。長年安定した稼働を維持するためには、定期的なメンテナンスが重要です。特に、エンジンオイルはエンジンの血液とも呼ばれ、適切な管理がエンジン性能と寿命に大きく影響します。
本記事では、トラクターのエンジンオイルのセルフ点検について、量、劣化、漏れという3つのポイントに絞って詳しく解説します。
○量の確認:適切な量を守ろう!
エンジンオイルは、エンジン内部の金属部品を潤滑し、摩擦や摩耗を防ぐ役割を担っています。量が不足すると、潤滑不良による部品の損傷やオーバーヒートなどのトラブルにつながります。
点検方法
- トラクターを水平な場所に止め、エンジンを停止します。
- 取扱説明書で指定された場所にあるオイルゲージを引き抜きます。
- オイルゲージに付着したオイル量を確認します。
- オイルレベルが下限ラインを下回っている場合は、規定量までオイルを補充します。
補充する場合
- 推奨銘柄のオイルを使用してください。
- オイルレベルは上限ラインを超えないように注意しましょう。
- オイルの入れすぎは、エンジン性能の低下やオイル漏れの原因になります。
○劣化のチェック:汚れや粘度の変化に注意!
エンジンオイルは使用時間の経過とともに劣化します。劣化が進むと、潤滑性能が低下し、スラッジと呼ばれる汚れが堆積しやすくなります。また、粘度が変化し、本来の機能を果たせなくなります。
点検方法
- オイルゲージを抜き取り、オイルの色と粘度を確認します。
- オイルが透明で粘度が適度であれば問題ありません。
- オイルが茶色く濁っていたり、粘度が異常に高かったり低かったりする場合は、劣化が疑われます。
劣化が疑われる場合
- 早急にオイル交換を行いましょう。
- 長期間使用していない場合も、定期的にオイル交換が必要です。
○漏れの点検:早期発見でトラブルを防ぐ!
エンジンオイルの漏れは、深刻なトラブルにつながる可能性があります。定期的に漏れをチェックし、早期発見・早期対処を心がけましょう。
点検方法
- トラクターの下回りを点検し、オイル漏れがないか確認します。
- エンジンヘッドやオイルパン、ドレンプラグ周辺にオイルの染み跡がないか確認します。
- 漏れを発見した場合は、原因を特定し、修理が必要です。
漏れの原因例
- ガスケットの劣化
- オイルパンの破損
- ドレンプラグの締め付け不良
《まとめ》
トラクターのエンジンオイルは、適切な管理によって寿命を延ばし、性能を維持することができます。日頃から量、劣化、漏れをセルフ点検し、異常があれば早めに整備士に相談しましょう。
日頃の点検を習慣化することで、愛機の調子を整え、長く安心して使うことができます。